解析が発散する場合、以下のような原因が考えられます。
- メッシュ不足:
KeyFDTDでは解析精度の観点から解析領域内の最短波長を10分割以上できるメッシュ数を推奨しております。この基準を下回ると波形が正しく再現できず、発散する場合があります。誘電率・屈折率が高い物質を解析する際は波長が大きく短縮するため、特に注意してください。
- 1メッシュのみのオブジェクト:
非常に薄いオブジェクトで1メッシュのみ物性が割り当てられる場合、構造の厚みが正しく再現できず解析が発散する可能性があります。オブジェクトの最も薄い部分でも2メッシュ以上分割されるように厚みをもたせるかメッシュ数を増やしてください。
- 負の誘電率を持つ物質に分散モデルを使用していない:
負の誘電率を持つ物質は必ず分散モデルで物性を与えてください。解析したい物質の物性データがあれば、弊社に送付いただければ分散モデルを用いた形に修正します。
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PEC・吸収境界と励振源が接触している:
励振源とPEC・吸収境界が接触していると境界条件を正しく処理できず、発散する場合があります。励振源とPEC・吸収境界は5メッシュ程度離してください。
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分散モデルに非物理的なパラメータが設定されている:
誘電率が負の物質に分散モデルを使用しても、不適切なパラメータを与えている場合は発散する可能性があります。分散モデルのパラメータ設定でお困りの場合は弊社に波長毎の物性データをお送りください。
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点源に大きな抵抗を設定している:
点源またはデルタギャップに抵抗を設定している場合に値が大きすぎると計算が発散しやすくなります。この場合、値を小さくするかCFL数を小さくする(ただし計算時間が増えるので前者推奨)ことで解析が安定します。