複素電磁界で合成波を分離する際の手順


complex-electromagnetic-field
複素電磁界を用いることで、単純な四則演算で電磁波のを合成・分離することができます。今回は、https://help.kagiken.co.jp/articles/complex-electromagnetic-field-demultiplexingで取り上げた電磁波解析を行う具体的な操作手順を説明します。
KeyModelでモデルを作成しKeyFDTDで解析計算を行う際に、KeyFDTDの設定を変更します。Fig 13で示すように、詳細設定変更から電磁界: E, Hの積算結果を複素振幅で、ポインティングベクトル: Sを振幅で出力するように設定します。
Fig 13 KeyFDTD.exeでの詳細設定変更ウィンドウ

KeyFDTD.exeが、targetモデルでの積算結果が保存されているbtecファイル(target.btecとします)と、blankモデルでの積算結果が保存されているbtecファイル(blank.btecとします)を出力したら、それらを開きます。
Fig 14 btecファイル起動時

btecファイルを開く際には、Fig 13でどの方向の複素電磁界、ポインティングベクトルを表示するか決めます。このモデルでは、電磁波はz方向に進行しx, y方向への散乱がないため、電磁波エネルギーはz方向のみを考慮すれば十分であることから、ReEy, ImEy, ReHx, ImHx, Szを選択します。
Keyplotで開かれたbtecファイルウィンドウの左にある‘グラフ’の右にある‘+’をクリックします。
Fig 15 KeyPlotで開いたグラフウィンドウ

左上の‘横軸の変数’を‘z’に設定し、その下でx, yの層番号を入力します。今回はx-y断面を貫くz軸についてプロットしたいので、x, yのそれぞれのメッシュ数の半数を入力しました。‘縦軸の変数’を設定して‘プロット’を繰り返します。その際、Fig 15のような警告が表示されますが、‘OK’を押してください。今回はReEy, ImEy, ReHx, ImHx, Szをプロットし、完了したらウィンドウ最下部の”csv保存”をクリックしてcsv形式で保存できます。
Fig 16 プロットしている際に出る警告(‘OK’を押す)

出力されたcsvファイルは”???_sum.csv”というファイル名で、Excelで開くとFig 17のようになっています。
Fig 17 出力したcsvファイル※一行目はC列から空白だが、B列から順に選択した複素電磁界またはポインティングベクトルの値が入っている)

target_sum.csvとblank_sum.csvを操作していきます。操作手順は一例ですので参考程度にしてください。
Fig 18 target_sum.csvとblank_sum.csvをまとめる

target_sum.csvとblank_sum.csvを一つのbookにまとめ、差分をとり、
からSz_reflectedが求まりました。

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